マンゲイラ2018


PDF 版

"カネがあろうとなかろうと、遊ぶ"


“このサンバを贈るぜ、キミに
いつでも口をはさみ、批判して
かっこつけて、ボクらの大衆芸術である
サンバを潰そうとしているキミに(...)
ボクらをさえぎる垣根なんかない
サンバをしないキミでも、賞賛せざるを得まい”
(セレーノ、アヂウソン、ガヴィアォン、ホブソン・ギマランェス)

片 栗粉、安物の小麦粉、リモン・ヂ・シェイロ、水鉄砲を手にして、ずぶぬれになりながら、ボクは自分バージョンのカーニバルの開始宣言(ごっこ)をしてみよ うと思う。「ボクの恥」を安い紙に包み、その恥の象徴を、寄せて返す波の間に投げ込む。2つ3つの太鼓の「皮叩き」が、群集を引き連れていくゼ・ペレイラ をよみがえらせるだろう。たとえ「ポケットに穴が開いていても」、「靴がキツキツでも」、「首に縄がかかっていても(人生崖っぷちでも)」、友好的な人が 出会う角々で、バーのテーブルを叩いてでも、手拍子でも、「ラヤラヤ」レベルの歌声でも、裸足で地面で踊ってでも、とにかく、カーニバルとみんなの自由ば んざい。どこの酒場でもいい。6人ほどの達人が集まったテーブルの周りとか。パルチデイロの即興詩でも。タンタンやパンデイロを振動させる皮ヘッドでも。 そういうところをボクはエスコーラの本拠地と定めよう。サンバに飢えたたくさんの人々のために。

酒場が本拠地なら、道路がボクらの舞台 だ。さらに言えば、道路をたどれば大通りにたどり着かざるをえない。マンギ地区を流れる運河に向かって、ボクは叫ぶ: 立ち上がれ、イスマエルよ!かつてはぐれ者扱いをされながら、今日我々が紙吹雪にまみれた手で掴もうとあがくものを作り出した、あの達人たちを連れ来た れ。我のもとに至れ、庶民のエスコーラよ!「柵」になっているのは古くてボロボロのロープだ。ボクはあの仕掛け屋の魂に向けて叫ぶ。「さまよい出でて、人 々を煽り、大衆を刺激して揺さぶれ」。「ヴァイ・コモ・ポーヂ」の隊列は、まったく幻想的だ。装飾として頭に水の缶を乗せ、胴体は嬉々として進む。丘から は、出自不明の王や王妃で構成された王室が現れてほしい。みんなに集まってほしい。もちろんパレードするためだ。どうせならプレジデンチ・ヴァルガスのア スファルトを選んでほしい。酒をひっかけて、熱狂にあおられて、パンプローナが古い大通りを飾り立てる照明に点等する。それを見る人々の目、その網膜に飛 び込むように、過ぎ去りし日のしきたり通りの姿が輝く:「粉と土ぼこりにまみれ」、「施しを求める皿を手にした」、「民俗風習的な」サンバの姿。

壁 には、大文字で落書きがある。だらしない着こなしの覆面男が主張する:「サプカイは我々のものだ!」大通りを封鎖している門は崩壊する。笑いとはじける喜 びの中、「襟なし族」が揺れる。肉と、我らが人民の幻想の色に染められたひとつのコルダォンとして。突発的に発生し、打ち合わせもないままに、大通りを占 拠した一団が、期せずしてあの広場を目指して進む。「潰れた集団」が占拠したいあの広場だ。祭りには割れ目があるものだ。ボクはこの祭りの割れ目を通して ボクのカーニバルを行うことにした。「小道と大通り」を隔てる門を破壊した上で、ボクはみんなに告げる。「喧騒を指揮する王様は裸だ!」裸なだけじゃな い。死んでる。王位継承だ。ボクは急ぎ、本気で、召喚の叫びをあげる。わが元に来たれ、ハモスより出し首長たち(カシーキ・ヂ・ハモス)よ!ボーラ・プ レッタの飲んだくれたちよ、我と兄弟の契りを!「ジャガーの口からただよう臭い(バフォ・ダ・オンサ)」をもう一度!郊外スタイルのバチ・ボーラスが出入 口を固め、紙吹雪とテープの爆弾を投げつける。楽団のラッパが「チェックメイト」の音を鳴らす。カーブを曲がって飛び出してくるのは、女装家たち。たくさ んのブロッコの旗。アフォシェー。かつて来て、もはや来ない人々。まだ来たことがなく、常々来たいと思っていた人々。アルコールと汗の臭いにまみれた集団 による青空舞踏会。やり過ぎる人々。転げまわる人々。歌い踊る人々。それがサンバから「パゴーヂ」をなし、「パゴーヂ」からメッセージを生み出し、メッ セージから救いの言葉を生み出した。「ショーの製作総指揮を担当するのは人民だ。」

とりあえず、ボクはもはやいつものようなパレードでは ない。かつてそうだったようなエスコーラではない。ボクは衣装を破り捨てた。ボクはブロッコ・ヂ・スージョだ。政府とは関わりなくパレードする。誰の手に もボクに手綱なんかかけさせない。ボクは普通のサテンを着たハーレクインだ。ボクはムラっ気のない小悪魔だ。ボロボロのピエロだ。「着こなしがなっていな い」覆面男だ。手ぶらのコロンビーナだ。靴に穴が空いてしまったマンダリンだ。「我はマメどもに命じた」と、ボクは一団を非難する。「ボールは渡さない」 基金にも、政府にも、主催団体にも、テレビにも――関与しようとしまいと。

ここでボクはクラッカーを鳴らしてマンゲイラの到着を告げる。 残る者はしっかりと。昔、こんなことを聞いた。「寄る辺たり得る大樹といえばジェキチバだ。」それならばボクは問う。マンゲイラが通るのを邪魔しなきゃな らない人なんている?人をコケにしながら、笑い、ボクは大声で歌いながら進む。「見ろよ、ブロッコ・ヂ・スージョを、、、衣装もない、、、でも喜びをもた らす、、、サンバする人々に、、、見ろよ、ブロッコ・ヂ・スージョを、、、缶からを鳴らしながら行く、、、安あがりの喜び、、、カーニバルなんて跳ねて りゃいいのさ。」

調査、構成、執筆:レアンドロ・ヴィエイラ 2017年6月


サンバ・エンヘード
作: レキーニョ、ジュニオール・フロンダ、アレマォン・ド・カヴァッコ、ヴァギネール・サントス、カブリエウ・マルチンス、イゴール・レアウ

変革の時が来た
サンバの旗を掲げよう
気づきの光がさして
サンバ達人たる人々の抵抗を照らし出す
先駆者たちに尋ねるといい
昔のカーニバルについて、民俗風習を守る人々について
「かつて、はぐれ者扱いされ、安い紙を使った
マンゲイラで出るために」
わが人生をかけたエスコーラは酒場だ
フォークと皿で叩くのがボクのタンボリン
手拍子であわせていく、ラヤラヤと歌いながら
こういう即興芸術なら、ボクはメストレ・サラだ

オオオ、ボクらは人民の声
このコルダォンに参加しなよ
また幸せになるために
来れるなら来てよ、群集の中に

ダメだ、、、灯りはつけないで!
ボクの祭りは、恥や罰のないものだから
繰り返す感動
輝きとか予算とかは関係ない
来いよ、来たらいいよ
道はボクらのものだから、これ正当な権利だから
選択コースでうろついて、ゲートなんか破壊して、ボクらの誇りを取り戻そう
丘は裸で、虚栄もなく
サンバする姿はまるでソシエダーヂ
カーペットはどかして、土ぼこりをまきあげて
結局、誰にもマンゲイラを黙らせることはできないんだし

衣装が無くても、喜びは残っているはず
缶からを叩け、みんながサンバできるように
主よ、ボクはマンゲイラなので、お許しを
罪とされるべきはカーニバルを楽しまないこと!

前年 次年 エス コーラTOP 2018年 開催年選択リスト エスコーラ選択リスト HOME