ポルテーラ2017


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"あの川の流れを見て感動したことのない人などあろうか"

概要
  川は人の想像をかきたてます。流れる水の中から人々は、夢や知識を釣り上げ、物語や魅力をすくいあげます。青と白の川は、人々の命と文化の根源である泉か ら生じています。基本的な物質である淡水は、数々の古代文明において宇宙の創造神話と関連付けられており、数々の宗教では神聖さを表象するものであり、現 代社会においても最重要な資源です。鷲は生まれてすぐに、自然が生み出すものの中で最も貴重な善が生じるところで、この澄んだ水を口にします。このサンバ のゆりかごにおいて、鷲は祝福します。パレードコースを。ポルテーラの川底を。今回、話を進める中では、他の川の伝説についても取り上げていきます。通り を練り歩く中で、川が流れるのを見たいという人々の魂を清め、勝利への渇望という渇きをいやし、川岸に暮らす人々を喜びで潤します。この川に流れる水は、 身体を清め、悲しみを沈め、植生に新たな力をもたらします。遠く離れた集落や村、都市や国々をめぐり、数々の謎を知るように、みなさんをお招きします。
  川というものは古く、川にともなってたくさんの物語が流れています。世界の始まりをもたらした秘密を水の中に隠しつつ、常にそこに存在してきたからです。 一方、川というものは新しいものです。常に流れ続け、その水が二度と同じところ通ることはないからです。川は、引き返すということをしません。川は常に行 き先を求めて進みます。細くしたたるような水として生まれ、静かに、おだやかに、流れを進めながら多くの合力を得ていきます。大きくなる中で、岸の土地を 潤し、養分を運び入れ、そうした土地に物心両面で実りをもたらします。行く先の石などものともせずに、大地の上を進み続けます。曲がりくねった線状の形を とって進み、歌や詩を生み出す素材となります。
 豊かさを湛えて、川は内陸部の森やプランテーションや小さな家々や市場の間を通りぬけ、やがて大 都市にたどり着き、川岸に巨大な建物が立ち並ぶ様子に出会います。人と川とは、身体と精神の両面で繋がっています。芸術家たち、たとえば音楽家や歌手、あ るいは建築家や彫刻家などはみな、川の魂を形にしてその作品に映し出します。献身的な修行に邁進し、祈りの言葉をつぶやき、願掛けをしていた人々が、大願 成就に感謝して列をなし供物をおさめます。人は川から命を貰います。人生は行き先に向けて流れ続ける川のようなものです。

パレード構成

オープニング
  川の水源には、世界の始まりの秘密が隠されています。パレードコースにも、豊かに現れ、大地を潤し、土壌を肥えさせ、自然を目覚めさせます。創造主の力が 生じる場所。献身的修行の場所。金色に輝く泉の色は太陽の色を映したものです。私たちにとって最も貴重な財産として、ゴールドにも値すると告げているよう です。不思議な鷲はこの聖なる水を口にして、生命の泉の謎を敬う人々を祝福します。

過去は川の賜物
  古き川の川底には、実に多くの秘密が身をひそめています。集落、村、都市の発達にともなって、古代文明は社会組織化のプロセスを始めました。すべて、農業 技術の発展があって始まったことです。種を植え、育てることが出来るようになり、それによって植生が固定化され、河川流域の豊かな土壌についての理解が進 みました。多くの文明はめざましい発展をとげており、驚くほどの科学的知見を備えた社会が形成されていました。同時に、独自の神々や創造神話といった信仰 も整備されましたが、そこにも河川が関連づけられていました。ポルテーラのパレードでは、こうした神々を人間と自然、特に河川、との強い結びつきを象徴す るものとして表現します。また、該当地域の人々の象徴であるゆえに、何千年もの文化を規定するものとして扱います。

川に棲むもの
  川にまつわる話には、他にどんなものがあるでしょうか?川から生じるものには、その美しさで魅了するものや、その強さや魔力で崇敬を集めるものがいます。 「世界の産みの親」といった設定の大蛇の話は、様々な文化圏に見られる最古の伝説のひとつです。火の眼をもつ大蛇ボイウーナを恐れる人もいれば、男たちを 誘惑して川底に引きずりこんで返さない美しい人魚ララの魅力に身を任す人もいます。水中に棲んで水を操る伝説の竜のような存在も、恐れられ、崇拝されてい ます。もちろん一方で、超自然とは関わりのない生物も存在します。小さな水草アグアペ(訳注: ホテイアオイの類)には水中の不純物をろ過する機能があり、魚類の死骸を通じて疫病が発生するような重度の汚染環境を早期に改善することができます。文字 通りの「河川流域」では暗い水面の下に脅威が潜んでいたりします。たとえば、大きなワニ。そして、ワニが生息するような地域では、それが崇敬されていると いうこともあります。

川岸にいきづく生命
 生き るために最も重要なものはどこからもたらされるのでしょうか?世界中に存在する川岸に暮らす人々の日常を支えているものは何でしょうか?川にせり出した水 上家屋で寝起きする人たち、小気味良いリズムで選択をする女性たち、市場に向かう物品を満載してみんなの役に立っている水面を渡って往来する船、こうした 人々のせわしない毎日が、ポルテーラの川に流れ込みます。
 家族そろっての移住があれば、いままで森の静けさと川のせせらぎしかなかったtころ に、新しい音と匂いがもたらされます。周囲に新しい色を塗り、土地を求めて様々な方向に広がっていきます。中には、行く道や川を見失う人もいます。それで も、ポルテーラの川は優しく、大きな愛をなくして落ち込む人の悩みさえも運び去ってくれます。

川の魂
  形と色。音と詩。川から生じる魂から、川岸に建つ大聖堂の姿が連想できるとしたら、そこに暮らす人物の人生を描き出すロマンス詩を書くこともできるでしょ う。ああ、河川の魂は音楽の中にも宿ります。たとえるならサロンに響くワルツ。そこに、山や森を通って穏やかに流れる川の感覚が込められています。青き川 はジャンプや緩急を織り交ぜて踊り、一つ曲がるたびに新しい冒険が現れます。インディオの物語に、彼らの命を宿す土地を明け渡すぐらいならば死を選ぶ、と いう話もあります。そして、この抵抗の叫びが時を越えて伝わってきます。「私の心を、川の湾曲部に埋めろ」と。河川の魂に流れる自由を求める感覚は、北米 の黒人音楽にも鳴り響いています。そして、そのリズムと歌は、土手を越え、世界中に自由に流れているのです。

私の心は流れに身を任せることになった
  もしもある日、その1日だけ、川がすべての悲しみを運び去ってくれるとしたら、涙をなみなみと湛えて流れ、平和の使者となれるよう神様に祈る人に喜びをも たらすことでしょう。古き川を、多くの小舟が往来し、熱心な信者たちが祈りと賛歌の中で沐浴しています。その青い水の中では、様々な文化、歴史、信仰、伝 説、謎に出会います。流れる途中では、祈りや捧げ物を受け取ります。水源ではゴールドが水に映え、川と富と繁栄と美の神であるオシュンへの信仰で輝きま す。川のインスピレーションによってのみ生じる音楽を歌う人々をさらっていきます。サンバの神殿では、パストーラとパストールが、礼拝堂の聖なるミサに集 う熱心な信者のように、祈りを捧げます。サプカイをポルテーラの青と白のマントが覆います。川に栄えあれ、聖女に栄えあれ、栄えあれ!

イザベウ・アゼヴェード、アナ・パウラ・トリンダーヂ、シモーネ・マルチンス、パウロ・バホス

サンバ・エンヘード
作: サミール・トリンダーヂ、エウソン・ハミレス、ネイジーニョ・ド・カヴァッコ、パウロ・ロピータ77、ベト・ホッシャ、ジラォン、J.サレス

知ってほしい、この愛を
いくつものカーニバルを通じて沢山の心を運んだ
飲んでほしい、この泉から
春が来るたびに詩がうまれるところ
青と白のマントがきらめく
空よりも海よりも美しく
パウロ、カエターノ、フフィーノの種が
運命に従って進み、流れ下る

小舟がたどり着く、村に
わが道を照らす、ランプ
謎の棲むところ、魅力があるところ
流れにまつわる神話と伝説

羊飼いや洗濯をする女たちが歌う、痛みを忘れるために
悲しみは去った、流れる水が持ち去った
もはや戻ることはない(おお、娘よ)
涙の癒しにまかせよ(おお、娘よ)
行けよ、インスピレーション、自由の中に飛べ
サウダーヂを残す湾曲部
おお母よ、オライェイェオ、私にアシェーを浴びせたまえ、オライェイェオ

祝福の水、清めの水
ツグミの鳴くところ

古き守り人に栄えあれ、ジャックフルーツに例うべき果実
それを成した木は、オズヴァウド・クルースとマドゥレイラ
たくさんの船が行きかう、聖女に祈りを捧げながら
ポルテーラではサンバが宗教であると示しながら

花の香りはキミのもの
漂う視線、それはボク
身体中に鳥肌がたつのを感じたことがない人などいるだろうか
この川が通るの見て

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