サウゲイロ 2014年

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"ガイア――我らが手の中にある生命"

2014年のカーニバルに向 けて、アカデミコス・ド・サウゲイロは、今ここにある問題をテーマとして掲げます。私たちの住処であり、私たちの領土であり、私たちが知る限り、この宇宙 で唯一、生命が生まれる場所である地球との私たちの関わり方についてです。

人類発祥のころからずっと、様々な民族がこの世界の創造について説明する神話を作り上げてきました。ギリシャ人たちにとって地球を意味するガイア。それ は、私たちが暮らすところ、私たちが耕すところ、私たちが子をなすところ、私たちが祭で、喜びをもって、そして何よりもまずカーニバルで、生命の尊さを祝 うところです。

他の民族も、彼らなりのスタイルで、世界がどのように創造されたのかを語っています。たとえばヨルバ族の人々は、オロルンと呼ばれる不可視の主神を信じて います。これと並んで、私たちが今ここに暮らす、形ある現実界については、神域と区別して、アイェーと名付けています。今回、私たちは、ヨルバ族の世界観 が、私たちの文化的生活に近いこと、そして、ヨルバ族の神話が多くのブラジルの文化・芸術表現に深く浸透していることに言及します。ヨルバ族の世界観で は、ひとつひとつの自然現象に対応した特定のオリシャー(神)が存在します。こうしたひとつひとつが集まって全体、言うなればガイア、を構成しているので す。たとえば、火を司る神であるシャンゴー。大地と植物界のあれこれを統べる、オショッシとオサーニャの智恵。風の動きを操るイアンサンの力、水の世界を おさめるイエマンジャーとオシュンの軽やかさ。そして、永遠の戦士たる人類の武器と力を司るオグン。これらの支配が全体的な調和をなし、そしてオロルンに よる地球の統治を支えているのです。

巡る世界

ガイアは、様々な構成要素が形も意味もなく混在した、混沌という無秩序状態に秩序が勝利した結果です。ガイアは、何もなかった空白に生じた、私たちが立つ 大地、海、山、昼夜のサイクル、その他、私たちが長い時を経て順応してきた様々な環境の総体です。様々な要素を抱合したガイアという存在、その形態の調和 した様、その組成・構成から、私たちは4つの主要元素が踊る様を見ることができます。土と水と火と空気です。そしてこれら4元素が物質的に存在し、また精 神的に意味を背負う、すべてのもの。

堅く細やかな土を握りしめるとき、私たちは、肉体的にも精神的にも生きる力をもらうその大本としての優しい力を感じるものです。私たちは土をもととしたも のの中に暮らし、土の上を歩いて仕事へ通い、また散歩します。私たちは土の上に立ち、満ち足りた王国、ユートピア、愛と勝利を夢見ます。土は感受性を備え た存在です。人が優しく接すれば、土も人に優しくしてくれます。

水に目を向ければ、それが私たちの中にもあること、生命の根源であること、全ての大陸のほぼ全ての宗教で、洗礼式や聖なる沐浴などの清浄化に用いられてい ることに気づきます。水はどこにでも存在し、地球の表層の大部分を占めています。水が大部分を占めていることによって、地球は青く見え、また、宇宙でも稀 な環境の存在が可能となっているのです。

変わって、火は、私たちの記憶を超えたところへと私たちをいざないます。私たちにとって火は世界を支配する武器でした。煮炊きをし、食糧を保存用に加工 し、住居を温め、気候の変化や動物から身を守るのに用いられました。時に制御できなくなる力をもちつつも、火は、私たちに熱と安心の気持ちを抱かせます。 火は、錬金術の父たる変質の象徴でもあります。かつてあった姿を燃やし去り、来るべきものをもたらします。別の成分、別次元のものを。灰からよみがえるべ きものと言えば?

この並びの最後にあるのが、目に見えないながら最も身近にある、おそらくすべての元素の中で最も繊細な存在である、空気です。私たちは生まれた瞬間から呼 吸を行います。また、大気は、私たちがどこにいようとも、人と人を結びつける空気の大きなかたまりです。風が境界を忘れさせることもあり、そよ風が嵐の前 触れとなることもあり。

ガイアは様々な音が響きあう、共鳴箱のようなものです。大地を耕す鋤の音、太鼓を叩く手の音、地に落ちる枯葉の音。湧水、ろうそくの炎、一筋の煙。魅力と 美が響き渡ります。瞑想の姿です。

しかし、私たちは私たち自身が地球に対して何をしているか、わかっていないのでしょうか?皆に害をなすほどの破壊の光景を感知できないほど、私たちの視野 は狭く小さいものなのでしょうか?生態系をなす一員として充実した生き方とは、どういったことに表わされるものでしょうか?

私たちは高速化した時の中に暮らしています。通信の発達が距離を縮め、情報機器の力で、どこにいても世界中のことがリアルタイムで目前に提示されます。全 てが簡単に手が届くように見えてしまい、そのために、私たちは無理な目標を立ててしまったりします。渇望と失望の暗い穴とにとらわれて、トンネルの出口の 光が見えなくなる時を過ごすことになります。

地球上すべての心と良識が今、解決と出口の探索に力を注ぎます。皆、人の手によって、人の欲望と破壊力によって最初の混沌に立ち返ってしまおうとしている この姿を転換しようと望んでいます。

持続可能なエネルギー源は他にもあります。都市の構成方法は他にもあります。生活の質を上げる方法は他にもあります。

ガイアへの愛が、この袋小路から私たちが抜け出すひとつの手段です。ガイアには変わる力があります。それは私たちが優しさをもって帰り着く、祈りの一形態 です。ガイアは私たちの母であり、音のない広大な宇宙に青くぽつんと存在する点、輝く私たちの光であり、私たちに命と幸せのよすがです。

ヘナート・ラージ
マルシア・ラージ


サンバ・エンヘード
作: シャンヂ・ヂ・ピラーレス、ドゥドゥ・ボテーリョ、ミウヂーニョ、ベチーニョ・ヂ・ピラーレス、ホドリーゴ・ハポーゾ、ジャッサ

サウゲイロが詩に込める繊細さ
宇宙のすべての魅力
聖なる創造、広大な中にある謎
ガイア、、、生命ある大地、、、豊穣
オレの舞台である世界を回す
美を封じ込めたペンダント
オロルンの神殿
偉大なるオシャラーに栄えあれ
自然の守護者

オシュン、イエマンジャー、イアンサン、狩人オショッシ
オサーニャ、オグン、カオー父なるシャンゴーよ

水にある幸せ、、、赤と白の、、、それはアシェー
人類に愛の沐浴を授けるべく存在する
信じる者の心を清める
希望のともしびの中で
火は変革の力をもつ
明かりをともし、新しい日が生まれるのを見せる
祝福あれ、人々が呼吸する空気、、、吹く風
技術が進むところに
アカデミアの声が響く
優しく手を施すことを習い
保全することを知るべきと、投げかけられる声

オレのサンバがキミの心に響くだろう
これは全世界への警告
「オレたちの手の中にある生命」
答えを求めて、、、サウゲイロは歌う
オレたちが植える善の種が
やがてこの地に花開く、、、歌えサウゲイロ!

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