サウゲイロ 2017年

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"カーニバルの神曲"

「リオのカーニバル、すなわち感覚の嵐!(中略)おまえこそは、文明の中に放たれし獣の欲望。」(ジョアォン・ド・ヒオ)
 この幻想の森にいる、私は何者か。現実の世界が灰に帰す中、新たなカーニバルの炎の中に生き生きと立ち上がる私は?
 はじめまして!私は進路を誤りがちな冒険者、熱狂の旅人。まあとりあえず、詩人と呼んでもらおうか、、、
 身を焦がすほどに魅惑的な川をたどり、モモ王が治める3つの王国をめぐる狂気の船旅へと私は繰り出そう。
「この『舟』がひっくり返らなければ/オレーオレーオラー、、、私はたどりつく!」
 心は広く、魂は自由に、そして私は行く!

地獄の喜び
 「ゆらりゆられて」船は不気味な水面を進む。目に映るのは、恐れずに熱狂の魔の手に身をゆだねる人々の狂ったような姿。幾千もの声がひとつになって、迷宮のそこから響いてくる。邪教の祈りのように、昔のカーニバルの曲のように。
「しかし何という暑さだ、オーオオオー」
 喜びの熱で制御不能なほどに煮えくり返っている地獄のど真ん中に、私はいる。地下サロンの喧騒の中、仮面の一団は塹壕戦さながらに、紙吹雪と紙テープを用いる激しい戦闘に備える。かくして、我々ひとりひとりの内なる獣が解き放たれる。
  行く先に、異教徒の行列が炎の通りを美しさで溢れさせる様子を、私は見る。そこに、ラッパの音が高らかに響き、「悪魔の代理人(テネンチス・ド・ヂアー ボ)」の到着を告げる。墓の向こう側のグランヂ・ソシエダーヂによる厳かなパレードを指揮するべく年に一度選出される深遠の主が、堂々と登場し、恭しく担 ぎ上げられる。この恐ろしいまでの幸福状態の中、あたかも、この闇の世界で行われるカーニバルがこれで最後であるかのごとく、抗えない集団トランスで魂を 洗浄することを地下世界の王は命じる。
 大いに私を魅了する悪の道にちりばめられた燃えるような誘惑が心残りではあるものの、そろそろ出発の時となったようだ。ということで、旅路を続けることとしよう。まだまだ飛び込むべきカーニバルがたくさんあるのだ。

身をゆだねないことが罪
  地獄の道を後にした私が今や立つのは、圧倒的な煉獄の丘。犯した原罪に応じて七つの集団に分かれて苦行に向かう人々が列をなしている。狂ったような一団を なして斜面を賑わせる。罪もなく、裁きもなく、幸せを掴むことへの恐れもない。つまるところ、喜びの名の下で犯した罪には、与えられる罰などない。
 しかしこの地獄と天国の間の王国にあって、私はどのような熱狂者ということになるのだろうか?節度の道をたどって進むには、まず魂を清める水に潜り、救済の道を進まなければならない。
「見える?花が回っている...」
  情景が変化して、夢と追憶の上品な一団にその場を譲る。開かれた通り道に登場するのは、輝かしいハンショ、そのまばゆい花々、生き生きとした鳥たち、地面 を覆い尽くすような蝶。それは、自然がおりなす輝かしいエデンの園の姿。美しいものに飾られた橋が続く先は、モモ王が治める終焉の王国。

聖なる熱狂
 清めを済ませた私は神々しい建築物に向かう巨大な門をくぐる。無限の広がりの中、星々が魔法のメリーゴーランドのように回っている。宇宙塵を道しるべに、私はきらめく魅惑的な宇宙を進んでいく。天高く星々がめぐる中、宇宙のコルソが魅力と叙情を表現する。
「月は無言でわたる、、、大いに輝いて」
 心ははずみ、私は微笑む。サウダーヂに彩られた広大な空間に向かって。色とりどりの巨大な板に弾かれて、私は栄光に包まれて宙を舞い、この喧騒の旅路の締めくくりであるアポテオーゼへと向かう。ついに、最終目的地に到着だ!
 天国の最後の門にさしかかると、聖なるアシェーを発散する太鼓の魔法の力が脈動するのを、私は感じる。ヨルバの王、英雄、神々からなるアフロ宇宙次元に存在する聖なるものの寺院の中へと、私は導かれる。
  この天界にあって、人々の心から生じる全てを芸術へと形作るカーニバルの聖なる三位、すなわち父と子と精霊、の前に身をゆだねる。我が人民の魂を代理表現 するという目的のため、聖三位は新たにひとつとなるのだ。そして私は熱狂的に祝福する。ハーレクイン的な永遠の智天使たる天才アルリンドの手から生み出さ れる美が、レースとリボンの中に聖なる祝祭を編み出していくのを。私は見つめる。王となった少年、ジョアンジーニョの壮大な作品が、豪華さと輝きを編みこ んで宇宙最大の見世物を作り出すのを。そして最後に、私は称える。雷鳴がごとき声の最高神たるフェルナンド・パンプローナを。神々が住むオルンの空の高み において、我が聖なる天国アカデミア・ド・サンバの黒き王たちの大いなる祭を、たくさんの芸術で飾り立てる巨匠に栄えあれ!

 感謝の気持ちにあふれて、私は、このカーニバル的な冒険の旅を終了する。この旅路で見て感じた全ての驚きを、詩に表すべき時が来たのだ。
 我が名はダンテ!旅の詩人。我、この神曲の要点をここに記さん。
「真の幸せは、人生をカーニバル化するという、我々の延期不可能な使命の中にある。」
 君の中にもダンテは存在する。それを開放するのだ!

ヘナート・ラージ、マルシア・ラージ、文化部

パレードの部位構成
第1部-地獄
-地獄へ向かう小舟
-悪魔の代理人(テネンチス・ド・ヂアーボ)
第2部-煉獄
2.1-悔悛者の群れ(コルダォン・ドス・ペニテンチス)-7つの原罪
2.2-ハンショ、清め
第3部-天国
-宇宙のコルソ
-神々が住むオルンの空に集う聖三位

サンバ・エンヘード
作: マルセーロ・モッタ、フレッヂ・カマーショ、ギンガ・ド・サウゲイロ、ジェトゥーリオ・コエーリョ、ヒカルド・ネヴェス、フランシスコ・アキーノ

ボクは幻想という船に乗り込む
狂気にこの身を任せる
喜びに、、、
ボクは狂気の詩人、恋人
罰当たりな自由の中
地獄的な幸福感に身を捧げる
気持ちいい毒のキスがしたい
この欲望を満たしたい
酔ってしまいたい
喧騒という腕に抱かれるように、この身を投げ出す

キミに会いたくて、正気を失い、
バカになって、愛に死す!
裁きがなんだ、愛しいキミ?この夜はボクらのもの、、、
罪のおもむくままに!

ボクの魂が清められるのを感じる
おぼろげに見える
天にある楽園
「聖なる才能」を備えた3人
「見ろよ、花が回っている、、、」
太鼓の音が響くところ
さあ叩け、ラムはダブルで
オルンの神に捧げるように
回れバイアーナ、空をサンバの聖地に変えろ
通りを真っ赤に染めろ
人生をカーニバル化するのがボクらの使命だ、、、
命はサンバのためにあるんだ!
世界を魅了するこの情熱のことは
サウゲイロ人にしかわからない、、、
サウゲイロ人にしかわからない、、、

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